人生ではまとまったお金が必要であるときがありますし、お金にゆとりがあれば余暇の過ごし方も変わるでしょう。
お金を増やす方法として「投資」「資産運用」がありますが、投資と聞くと「難しい」「投資でお金を増やせるわけがない」とネガティブなイメージを持ちがちです。
ネガティブなイメージを持ってしまうのは、投資・資産運用のことをもっと知ることで払拭されるかもしれません。
そこで今回は、投資の初心者でもできる投資の方法と資産運用のコツについてご紹介します。
投資と資産運用の違いとは?
「投資」と「資産運用」は、どちらもお金を増やす方法ですが、言葉が分けられているようにそれぞれの内容が異なってきます。
具体的に投資と資産運用の違いについてみていきましょう。
投資
投資とは、将来有望なモノやコトにお金を投じて、その価値が上がることでお金を増やしていく方法のことをいいます。
例えば、自分の子どもがいる場合は、教育や習い事にお金をかけますがこれも「投資」ですし、自分のスキルアップや資格をとるためにお金をかけることも「投資」です。
また株や投資信託など、未来に成長する会社企業の株式などを購入するのも「投資」になります。
資産運用
資産運用とは、さまざまな金融商品の売買をしながら、手元のお金や今後の収入を効果的に管理・運用していくことをいいます。
ここでいう金融商品とは、外貨預金、不動産、FXなどをいうのです。
これらの金融商品を購入し、管理・運用するのが「資産運用」になります。
初心者でもできる6つの投資方法
投資をする前にあたって、次の3つのことを考える必要があります。
①何のために必要なお金か、どれくらいの利益を得たいかといった目標を立てる
②現段階でもっているお金が、生活費で使う、近いうちに使う、当面使う予定がないに分ける
③投資したいモノやコトの特徴を知り、目標に合った金融商品を使う
①・②はこれから投資する方でもすぐにできるでしょう。
ここでは③について、多くの方に利用されている6つの投資方法にみていきます。
株式投資
投資と聞いて、まず頭に思い浮かぶのが株式投資です。
株式会社が生産している商品、販売、サービス提供などを見ながら、今後事業が発展しそうな会社企業にお金を投資します。
投資初心者の方はどの株式を選べばいいのかが分からないものですが、日常生活の中には会社企業が生産した人気の高い商品・サービスがあるものです。
とくに最近注目するようになってきた商品・サービスは、今後株価が上がる可能性がある会社企業といえるでしょう。
例えば新型コロナウイルスが蔓延している時期では、自宅で楽しむことができる商品・サービスを生産している会社企業の株価が上がりました。
株式投資で期待できる利益は2つあります。
1つめは、譲渡益やキャピタルゲインといって、購入した株式が、株価が値上がりしたときに売却することで得られる利益です。
例えば1株100円で購入した株式が値上がりし、1株150円になったときに売却すれば50円の利益が得られます。
2つめは、インカムゲインといって、ある株式会社の株式を保有していたとして、その株式会社が大きな利益を得たときに、株主には配当金が分配されるのです。
それだけでなく、株主は株式会社から自社製品・サービスなどを提供してもらえる株主優待券を受けることもできます。
投資信託
多数の投資家からお金を集め、ファンドマネージャー(運用の専門家)がそのお金を使用して国内外の株式や債券などに分散投資します。
そこで得られた利益、分配金などの収益を投資割合に応じて投資家に還元するのです。
ファンドマネージャーが運用のプロであることから信頼度が高いという点で、投資初心者に向いているといえます。
投資信託の価格は、通常約10,000円から購入することができますし、証券会社によっては最低購入金額を100円以上と設定しているところもあるのです。
金融機関によっては、毎月一定金額で投資信託を購入し、積立運用できるしくみをつくっており、毎月100~1,000円から投資することができます。
このように投資信託は、少額で少しずつ資産を増やしていくことができるでしょう。
投資初心者で投資信託を購入する際は、投資の対象に注目してください。
そのときに「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債権」などがあり、こられの配分をミックスした者もあります。
それぞれの投資先でリスクやリターンがあることを知った上で株式投資をする必要があるでしょう。
不動産投資
自分が物件を持っていれば家賃収入を得ることができますし、持っている土地を価格が上がったときに売却することで利益を得ることができる不動産投資があります。
マンションなどの物件を所有し、借りてくれる方がいる限りは家賃収入を得ることができるのです。
また不動産を購入する場合は多額の資金が必要であるため、簡単に投資できるものではありません。
ただREIT(リート)という金融商品を利用すると不動産投資をすることができます。
REITは投資信託の1つで、投資対象がオフィスビルやマンションなどの不動産を中心としており、賃貸収入などの利益を投資家に分配することができるのです。
投資金額は100,000円前後からできます。
FX
外国為替を購入し、毎日変動する為替差益を得るのがFX(Foreign Exchange)です。
例えば1ドル100円のときに1ドルを購入し、1ドル120円になったときに1ドルを売却すると20円の利益を出すことができます。
通貨は米ドルだけでなく、ユーロなどの外貨でもFXは可能です。
その他にはレバレッジという「てこの原理」を利用して、少額で多額の投資資金を運用することができます。
例えばレバレッジが5倍である場合、300,000円の証拠金で1,500,000円分の取引を行なうことができるのです。
レバレッジが大きくなるほど、リターンが大きくなるだけでなく、リスクも大きくなることを知っておく必要があるでしょう。
FXは外貨為替でのやり取りですので、取引する通貨によってもリターンやリスクが大きく異なります。
為替の動きは、その国の社会情勢に大きく左右されますので、FXを始める際はニュースで経済・社会・政治などを細かくチェックすることがおすすめです。
非課税制度のNISA・iDeCo
非課税制度のNISAやiDeCoでは、より効率的に資産を運用することができます。
非課税制度の資産運用については、以下の表で比較してください。
iDeCo | NISA | つみたてNISA | |
目的 | 老後資金づくり | 資産形成 | 資産形成 |
しくみ | 毎月積み立て | 自分のタイミングで 投資が可能 |
毎月積み立て |
非課税投資上限額 | 12,000〜68,000円/月 | 1,200,000円/年 | 400,000円/年 |
非課税期間 | 60歳まで | 最長5年間 | 最長20年間 |
投資商品 | 定期預金、生命保険、 投資信託 |
株、投資信託 | 投資信託 |
これら3つの中で「NISA」と「つみたてNISA」は併用することができません。
少額から始めたい方はつみたてNISA、資金に余裕がある場合はNISAを選ぶという選択方法もあります。
ただ2024年からNISAとつみたてNISAのしくみが合併したものができる予定です。
クレジットカード決済投資
一部のクレジットカード会社では、自社のクレジットカードを使い、提携している金融機関の金融商品に投資できるサービスを行なっています。
自社のクレジットカードを使いますので、余計な登録手続きが少なく、簡単に投資を始めることが可能です。
またクレジットカードを通して金融商品を決済することでポイントが付与され、そのポイントを投資に回すことができますので、元金をおさえながら投資を行なうことができます。
投資初心者が資産運用を行なう際の5つのポイント
資産運用では「リスクが大きい」「リスクが小さい」という表現をたびたび使います。
リスクが大きいとは、資産が値上がりする可能性も値下がりする可能性も大きいことを表し、リスクが小さいとは、資産が値上がりする可能性も値下がりする可能性も小さいことを表します。
ただリスクが大きいからといって必ず損するわけではありません。
しかし資産運用にはリスクは付きものですので、損失を最小限に抑えながら資産運用を行なう際のポイントを5つご紹介します。
投資する際は少額から始める
投資をする際にいきなり大きな金額を投資してしまうと、それだけ損失も大きくなってしまいます。
投資は資金に余裕をもって行ない、資金に余裕があったとしても少額から始めることで小さなリスクで投資を始めることができるのです。
リスクが小さい投資を行なう
投資を行なう上でリスクを減らすのは言うまでもありません。
投資のリスクを減らす方法としては次の3つが挙げられます。
●長期運用
投資は短期間で売り買いするのは避けたほうが望ましいです。
長期運用することで価格変動リスクが小さくなり、複利効果も期待できます。
複利効果というのは、元本にその年の利息を加え翌年の元本にしていくことにより、利益が新たな利益を生み出しますので、効率的に資産を増やすことができるのです。
●分散投資
1つの金融商品だけに投資してしまうと、その商品がマイナスリスクに働いてしまうと大きく損をすることになります。
そのことから複数の金融商品に投資することで、リスクを分散することにつながるのです。
高値がつく金融商品を1つだけ選ぶのではなく、複数の商品を選ぶようにしましょう。
●時間分散
時間分散は、前述の分散投資の1つであり、特定の時期にまとめて金融商品を買うのではなく、時期をずらしながら少しずつ購入することで投資リスクを減らすことができます。
金融商品の価格は日々変動していますので、時期をずらして長期的に購入することで、価格変動のリスクを抑制することが可能です。
小さな動向は気にしない
金融商品の価格は刻一刻と変動するもので、自分が購入した金融商品の価値が一時的に下がったからといってすぐに売る必要はありません。
金融商品を購入するときは、長期にわたって運用していくことを心がける必要があります。
投資についてしっかりと学んでから挑戦する
金融商品を購入する際に、投資のことについてしっかりと学んでおかなければ大きく損をしてしまう可能性が高くなります。
例えば株式を購入するとして、その企業がどのような会社か、どのような商品・サービスを扱っているのか、売れ行きや業績はいいのかに加えて、将来的に成長しそうなのかを見極めながら投資をしなければなりません。
プロに任せる
投資に関して勉強する方法はたくさんあります。
ただ机上の勉強をして、いざ投資に挑戦しても失敗することはよくあることです。
その際は、プロが運用している投資信託を利用したり、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談するのも1つの方法であることを知っておきましょう。
資産運用がおすすめの理由
投資の中でも資産運用をおすすめする理由は以下の3つがあります。
銀行の預金金利が低金利である
銀行預金では金利が付きますので、お金を預けているだけでお金を増やすことができ、普通預金より定期預金のほうが金利は高くなります。
しかし定期預金の金利は0.01%ですので、銀行に預金していただけではお金は増えないに等しいですので、預金以外の資産運用を考える必要があるのです。
老後などの将来を考える
日本で投資している方はごく少数と言われていますが、現在の年金制度などをみると、自分が高齢者になったときに必ずしも年金が受け取れるとは言い切れません。
老後などの将来のことを考えると資産運用でお金を増やすことを考えるべきなのです。
小さなリスクでお金を増やすことが可能
前述のように、金融商品の価値は物価と同じように上下するものです。
ただモノの価値の上下は、金融商品の上下よりも大きい傾向にあります。
例えば、あるゲームソフトが経年により大きく価値を下げたとしても、そのゲームソフトを制作しているゲーム会社の株価は大きく下がることはありません。
それはそのゲーム会社が他のゲームソフトを作るなどして、利潤や信頼を得ているからです。
まとめ
今回は投資の初心者でもできる投資の方法と資産運用のコツについてご紹介しました。
お金を増やしたいとお思いの方は、銀行預金の金利を期待するより投資をしたほうが効率的であることがお分かりいただけたでしょうか。
これから投資を始めようとお考えの方も、当記事をお読みいただければ投資の始め方が理解できます。
今回の記事を参考に、投資初心者の方も投資を始めて、自分のお金を増やしてみてはいかがでしょうか。